予実管理の脱エクセルを目指す全社データの統合・活用
〜財務分析×データリテラシー研修〜
- 業界/業種:
- 企業向けSaaSツール開発
- BtoB営業
- 支援プラン:
- 財務データ分析
- データリテラシー研修
- 予実データ設計
目次
- 1. プロジェクト概要
- 1-1. 目指すゴール
- 1-2. ご相談の背景・問題点
- 2. 問題の分析
- 2-1. クリアすべき課題
- 2-2. ご提案プラン
- 3. サポート内容
- 3-1. 財務分析ワークショップ
- 3-2. データリテラシー研修
- 3-3. 全社データの統合サポート
- 3-4. プロトタイプ開発
- 4. まとめ
プロジェクト概要
目指すゴール
このプロジェクトでは、各部署がバラバラにエクセル管理していたデータを1つに統合して、
1クリックで予実分析・経営管理ができるようになるデータ分析体制の構築を目指しました。
とはいえ、部署ごとにマスターが存在していたり、命名規則がバラバラだったり、
データの統合には相当な苦労がありました。
そのフェーズ1で取り組んだ、データ分析ツールのプロトタイプ開発について
具体的な取り組みをご紹介していこうと思います。
■ 欲しい分析結果のイメージを固める:
- データを統合して「何を知りたいのか?」を明確にする
- どんなデータを集めれば良いのか当たりをつける
■ 部署ごとにExcel管理されているデータの統合:
- 各部署に散らばったデータを集めて「データカタログ」を作成
- データのクレンジング(マスタ・命名規則の統一など)
- 仮分析を行なって「欲しい分析結果」が得られるのかチェック
■ 予実・経営分析ツールのプロトタイプ開発:
- サンプル画面を作成して開発イメージを固める
- データ構造を決めて、集めたデータをインポートする
- 改善点を集めて、本開発のプロジェクト計画を立てる
ご相談の背景・問題点
ご相談の背景としては「リアルタイムに経営数値を把握できない」ことで、
PDCAサイクルが素早く回らず、事業拡大のスピードを下げている状況でした。
具体的には、毎月7営業日の経営報告まで待たないと全体の売上・利益が分からず、
そこから対策を練っても既に状況が変わっている事が問題点です。
■ 経営数値の集計/分析だけで3日もかかる:
- 大量のExcel処理を「担当者が手作業」でやっている
- 予実差異は「担当者の勘と経験」で地道に分析している
- 部署ごとにバラバラの数値管理で、ルールが整っていない
■ 情報がリアルタイムに得られず、対策が遅れる:
- 見込管理(進行中の商談数・受注確度)が整っていない
- 7営業日の経営報告まで「全体の売上・利益」が分からない
- 分析が手作業なので「気になる予実差異」をスグに深掘りできない
問題の分析
クリアすべき課題
まず何より先に取り組むべき課題が「バラバラに管理されているデータの統合」でした。
というのも、社内に存在するデータを全体整理した「データカタログ」を作らないと
プロジェクト途中で迷子になるので、最初のタイミングで済ませておくのがベストです。
その後、ツール開発前の仮分析(①仮説 ②分析 ③検証)を行なって、
「必要なデータが揃ってるか?」「欲しい結果が得られるか?」を確実にしておきます。
ここで足りないデータは、現場と相談して新しい集計フローの構築が必要です。
そして最後ようやく、経営分析ツールのプロトタイプ開発がスタートです。
■ データを統合して「データカタログ」を作成する
- データのクレンジング(マスタ・命名規則の統一など)
- クラウド(AWSなど)にデータ統合用のDBを仮構築する
- データカタログを作成して、社内データを一覧化する
■ 十分なデータが揃っているのか仮分析する
- 仮分析で「ツール開発に必要なデータ」が有るのかチェック
- 足りないデータは追加収集できるフローを整える
- 仮分析の結果を見て「ツール開発をスタートしても良いか?」を判断
ご提案プラン
技術的な作業(仮分析・データベース構築など)は外注ベンダーを頼れるので、
プロジェクトチームは「分析ゴールを描き、データ構造を整えるスキル」に専念しました。
実際、バラバラのデータを集めて「自社のビジネス構造に合わせて整え直す」だけでも
現場との調整を含めて数ヶ月は必要だろうと予想していました。
■ 基礎スキル①:財務データ分析ワークショップ
- 財務諸表(損益計算書、貸借対照表)を読み解く
- 基礎的な財務データ分析(経営の健康診断)を身につける
■ 基礎スキル②:データのビジネス活用リテラシー
- ビジネス全体を「1つのプロセス」で捉えてデータの繋がりを理解
- 「勘と経験」に依存しない予実分析のプロセスを理解
■ 実作業:システム要件定義、データ統合、仮分析
- データ分析のゴール(欲しい情報)をシステム要件定義に整理
- バラバラのデータをビジネス構造に合わせて再構築(クレンジングなど)
- 要件定義を満たすデータ分析ができるのか、仮分析でチェック
サポート内容
財務分析ワークショップ
経営管理の根幹にある財務諸表(PL/BS)からどんな情報を読み解けるのか、
データ分析の土台づくりとして財務分析ワークショップ形式を最初に行いました。
会計の基礎知識・財務諸表の構造など、未経験から分かる構成にしてあるので、
全ての参加者から「大満足」の評価を頂けました。
データリテラシー研修
財務分析を理解した後は、さらに視野を広げた「全社のデータ分析」です。
実際のビジネスプロセスに合わせて自社のデータ構造を理解する事で、
「どこで予実差異が発生するのか?どうやって分析すれば早期発見できるか?」
そういった分析ツール開発のゴールを決めるための基礎リテラシーを習得しました。
全社データの統合サポート
基礎リテラシーを習得した後は、実際のデータを扱ってデータ統合を行います。
「バラバラのデータを、ビジネス構造に沿って再構築する」ことが目標なので、
小手先の知識よりも「仮説・検証」のサイクルを多く回せるか?の勝負でした。
運良くチーム内にプログラミング経験者がいらっしゃったので、
その方を中心としてデータ仮分析を何度も繰り返しました。
プロトタイプ開発サポート
ようやく最後、「これなら大丈夫」と自信を持った状態での開発スタートです。
弊社デジサクは、いわゆる「プロジェクトマネージャー」の立ち位置で
社内チーム・外注ベンダーの橋渡し(開発タスクの全体調整)をサポートしました。
まとめ
以上が「予実管理の脱エクセルを目指す、全社データの統合・活用」をテーマに
プロジェクト支援した全体の流れでした。
多くの失敗ケースでは「とりあえず動くものを作っちゃおう」と見切り発車して、
結局は誰も使わないツールを作ってしまう壁にぶつかります。
そのため、「データ統合だけでも十分すぎる価値がある」ことを理解して頂き、
確実な土台づくりから着手するプロジェクト設計が確実・最短のルートです。
■ データを統合して「データカタログ」を作成する
- データのクレンジング(マスタ・命名規則の統一など)
- クラウド(AWSなど)にデータ統合用のDBを仮構築する
- データカタログを作成して、社内データを一覧化する
■ 十分なデータが揃っているのか仮分析する
- 仮分析で「ツール開発に必要なデータ」が有るのかチェック
- 足りないデータは追加収集できるフローを整える
- 仮分析の結果を見て「ツール開発をスタートしても良いか?」を判断
以上、本記事がDXにチャレンジされる皆様のお役に立つ情報になると幸いです。
最後までお読みいただき誠にありがとうございました。